「ちょっ、やめろよ。」


プイっ、とそっぽを向きながら海飛が言った。


「あ、ごめん。」


私は素直に謝る。

いくら嬉しくても、さすがに抱き着くのはやりすぎたか?
でも、とっさに出ちゃったんだし仕方ない。
友情のハグってやつですよ。


「ねぇ、じゃあいつ行く?」

「うーん、お前が弁当作り終わったらでいいかな。じゃ、よろしく~。」


、、、えぇ―――!弁当作れってことですよね、コレ。


くそぉ、何かあるとは思ったが、ここまでとは。もういいや、適当に作ってこ。

保温できる容器にご飯入れて、おかず作っとけばいいでしょ。


ー ー ー


一時間後、私たちは家を出た。

早速自転車に乗って行こうとしたとき、、、。


「弁当。」

「、、、?」

「だから、お前のかごに入れたらぜってー、落とすだろ。」


、、、なんですって―――!


「私そこまで運動音痴じゃないし。」


ちょっと怒り顔で私はそう言った。


「あれー、俺の記憶違いかなぁ。小鹿みたいにプルプルした足で自転車に乗っているのを、ついこないだ見た気がするんだけど、、、。」

「何年前の話してんのよっ!!」