でも、素直に言えない俺。


「、、、そうだな。じゃあ、ハイ。返します。」


そう言って俺は、持っている袋の数を半分に分けた。数が奇数だったので一つだけ、一番軽いやつを椿に返す袋に追加した。


「あー!海飛に持ってもらう前よりも増えてんじゃん!」

「くそっ、バレたか。」


さすがに気づくか、、、。


「もう、ホントにあんたって人はねぇ。」


いつもみたいに、椿が俺の肩にトンっと当たってきた。ドンっ、ではなくてトンっ、だ。


「そんなんじゃ全然痛くないよぉーだ」


からかい口調で俺は言う。


「はぁ!?」


ほんの少しだけ、さっきよりも強くなった気がするが、こんなの可愛いもんだ。それに、怒った口調になっているが、顔は笑っている。もちろん、本気でやっているわけではない。


「いっった。お前、怪力かよ。」


先ほどもかいた通り、人というのは思っているのと正反対のことを言うことがある。

わざとらしく、俺は肩をさすった。


「ほんっと、大げさね。そこまで力ないし。」


うん、知ってる。どちらかというと、お前、非力な方だもんな。そんなところも可愛い。(俺は、好きな子のことはどんなことでも可愛く見えてしまう、ということも椿を好きになってから知った。)