「もう、私たち移動するから付いてこないでよね。」


そう言って、私は日奈の手を引っ張っていった。


「ありがとう日奈。」


屋上で場所を見つけられた私たちは、早速腰かけて続きを食べ始めた。


「いいよ、いいよ。確かに、1日中幼馴染と一緒にいるのはさすがに私も嫌だと思うし。」

「日奈、幼馴染じゃなくて、く・さ・れ・え・ん。本当にもう、日奈だけが唯一の逃げ場だぁー。」


ちゃっかり訂正しといた私は、日奈に抱きついた。


「ねぇ、椿ちゃん。そしたら今日、塾の前にどっかアイスクリームでも食べに行かない?」

「行く!!!」


私は即答した。
ちょっとだけ大きい声出ちゃったから、周りの視線が一瞬だけ私たちに集まった。


「やった~、めっちゃ嬉しい!そういえば久しぶりじゃない、どっか行くの。」

「そうだね。」


最近、お互い受験勉強で忙しすぎて、ぜんぜん出かけられてなかった。いつも頑張ってるご褒美に、いいよねちょっとくらい。

ウッヒョー、すっごい楽しみなんですけど。


ー ー ー


ードタタタタタタタ

(日奈と別れてから)ものすっごいスピードで、家に戻ってきた私は学校用のカバンを、置いてから塾用カバンを手に、家を飛び出した。

ちゃんと、鍵は閉めたから大丈夫。こういうところは几帳面です。