男子は当たり前のように誰も手を挙げなかった。でも、女の子は一人だけ手を挙げた人がいた。

立花さんだ。

その子の手が上がった瞬間、僕も手を挙げた。
もっともっと近づきたかったんだ、彼女に。


「よろしくね。」


決まった後、すぐに話しかけてくれる当たり、やっぱり優しいなぁ、好きだなぁと思う。


ー ー ー


それから僕はどんどん椿ちゃんのことを好きになっていった。

向こうが僕のことを好いてくれているかは分からないけれど、明らかに僕たちの距離は縮まっていて、僕はいつの間にか下の名前で呼ぶようになっていた。



それなのに、気が付いたらもう、高校三年生。また同じクラスになって何とか一緒に学級委員まで持って行けたけれど、そろそろ僕の本当の気持ちを伝えたい。


せっかく告白するならと、自分の誕生日の日に告白することにした。


ー ー ー


翌日、どこかのうわさ好きな男子が堂々と椿ちゃんと黒須がキスしている写真を張り出した。

悲しかった。胸が張り裂けそうだった。