それから本当に一条は厨房を見に行った。
「俺しか知らないと思ってたのに。」
思わず口から出てしまった言葉。
「海飛嫉妬してるの?」
ギクゥゥゥぅッ!!
「よしよし、大丈夫だよ~。私はあんたから離れないから。」
そう言って、俺の頭をなでてくれる椿。
こんなかわいいことしてくれるなら、一生すねていようかななんてことを真剣に考えた。
ぎゅー、思わず俺は椿を抱きしめてしまった。
それからここがファミレスだったことを思い出して、すぐに離す。
「びっくりした~。いきなりそういうのするのやめてね?」
「ごめん。」
素直に謝る。
そこで、一条が戻ってきてしまった。
チッ、と心の中で舌打ちをしたが、今ハグしていたのを見せつけられていたかもしれないなんて思いなおした。
そうしたら、このタイミングで帰ってきてもらえてよかったな。
「僕、厨房の覗き方わかんなかった、、、。椿ちゃん凄いね。」
「秘技があるんだよ~。それは誰にも教えないけどっ!」
ー ー ー



