「ちょっと私、手洗ってくるね。」
そう言って椿は席を立ってしまった。
俺と一条二人きり。
しばらく一言も発さずににらみ合い続けたが、一条がその沈黙を破った。
「僕、まだ椿ちゃんのこと好きだから。」
「あっそ。」
「諦める気ないよ。略奪愛とかあるでしょ。」
「俺が許さん。」
「ごめんねぇ、、でも君に許してもらう必要は無いんだよね。椿ちゃんが俺のこと好きになってくれるなら。」
、、、俺って!! こいつ、素が出たな。やっぱり腹黒だったぁ、、。
椿が一条のこと好きじゃないって気づいてくれてよかった。
「おんなじ委員会入ってるし、大学もまだ決まってないから行こうと思えば同じところ行けるんだよ。連絡先も交換してて、結構仲いいんだよね俺達。」
、、連絡先交換してるのは普通にヤダ。いつでもお互いの声を聴けちゃうのはカップルの特権じゃないのか。
、、、ハッ!! ヤバいヤバい、こんなんじゃ俺、束縛男になっちゃう!! それじゃ絶対に嫌われちゃうから気を付けなければ、、、。



