「、、、うまい。」


ぼそりと海飛はそう言った。


「それは良かった。」


普段海飛に褒められることはないから、シンプルにうれしい。


「お前、昔っから料理だけはうまかったよな。」


”だけは”のところをやけに強調しながら海飛が言った。


「料理だけじゃなくて、勉強もできますぅ―。」

「俺より、ちょっと上なだけのくせに。」


ケッ、ムカつくんだよその言い方。上は上。ちょっとでも別にいいじゃんか。


「料理の能力にほとんど吸い取られちゃってるもんな、お前。」

「そんなことないもん。」


速攻で私は言い返した。でも、そんだけオムライスが美味しいってことだ。ここは、ポジティブに受け止めていこう。




そんなこんなで、私にとって、波乱の一週間が始まった。