REAL TIME



しばらくして、短大の入学式になり

新しい生活がスタートする。


短大では高校と違って楽しい感情は無く

保育士の為の勉強をしに行く場所なだけな感じ…

友達は一杯できた。

遊んだりもした。。

数人のグループが出来たり...

でも物足りない毎日。


神楽先生には、たまにメールを送ってた。

入学したこと、授業が始まること

友達ができたこととか

ほんとにささいな内容の報告。

でも、メールは返ってくることは無かった。


卒業の前くらいからリアルタイムは

更新するけど、足跡がつかなくなった…

忙しいんかなって思って、自分でも

更新の頻度は落としてた。


ある日、サッカー部でフットサルをすることになり

みんなで集まった。

卒業してから、みんな新しい生活の準備で

なかなか会えてなかった。

久しぶりにみんなで会って

後輩の子に聞かされたのは

国坂先生が異動になったこと…

葛西ちゃんだけが顧問で残っていること


なんかどんどん環境は変わってく。


ウチも部活に顔を出したいけど

休みの日はバイトを掛け持ちしだして

1日つぶれていた。

葛西ちゃんにも会ってない…



そんな生活が続いていて

なんの満足感もないまま

いつの間にか夏休みに入った。


珍しく神楽先生から電話が来た。


「もしもし」


『もしもし!久しぶりやな!

メール返せんでごめんな!』


「忙しいんですよね!」


『せやねんけどさ、ちょっと時間作れたから

今から甘いもの食べに行かん?』


「大丈夫ですよ!」


『じゃあ、1時間後とか行ける?』


「はい!いけます!」


『じゃあいつもの場所向かうわな』

そう言って電話を終えた。


久しぶりに体の中に血が巡ったくらい

体も心も熱くなってきた。


久しぶり過ぎて、緊張って言う感覚も

忘れて神楽先生の車に向かった。


(神楽先生)『久しぶりやなー』


「お久しぶりです」


『なんか変わったな!』


「なんか、活力がね...

淡々と毎日が過ぎて行ってる感覚で…」


『学校は大丈夫なん?』


「一応、テストも大丈夫でした!

実習は楽しいです!  

ピアノがね...」


『あー!そっか、ピアノとかできるん?』


「ピアノは片手の楽器はやっきてたんで  

楽譜も大丈夫で、覚えるのも大丈夫なんですけど

両手で弾くのが大変過ぎて…」


『うわ!ついに俺のわからん内容の話に 

なってきたなー!

ってか何?楽器やってたって!

聞いたこと無いねんけど!』


「昔はアコーディオンとか弾いてましたよ」


『スポーツしてるのしかイメージないから

全く想像できんねんけど!』


「ウチも今思えば、なんであんな重たい楽器

弾いてたんかわからないですけど

ちょっとは役立つことしてたみたいです」


『中西はー?』


「ナオはお嬢様なのでねーピアノも

習ってきてたし、余裕そうです」


『あー、そっか、中西って

なんやかんやでお嬢様やったもんな!』


「そうなんですよ…」


そんな会話をしながらやっとお店に入った。


『とりあえず、いつもので良い?』


「はい!いつもので!!」


『あー、俺言わなあかんことあってん!』


「どうしたんですか?」


『西上が卒業する前くらいにな?

スマホに変えた!!見て!』


そう言って、スマホをちらつかした。

あ...謎が解けたかも。

全てが繋がった気がした。

足跡、卒業前でピタリと止まった。

やっぱ神楽先生やったんやろな…

でも、聞く勇気は無い…

でも、神楽先生やったんやろな…

そんなことをぐるぐると考えていた。


『ん?西上?どしたん?』


「いや!何もないです!」


『スマホあかんかった?』


「良いと思います!ウチも神楽先生が

スマホにしたなら、そろそろスマホに替えます」


『俺のが先に替えてごめんなー!

いまだに使い方分からんくて

電話くらいしかしてないねん』


「何ヵ月経ってるんですか!

そろそろ慣れてくださいよ」


『意外に機械アカンのかも』


そういう欠点ですら愛しいねんけど!

そんなこと思ってた。


『何笑ってるん?』


「神楽先生にも欠点あるんやなって」


『俺、欠点だらけやぞ!』


「へぇー、全然欠点分かんなかったですけどね」


『カッコくらいつけるからなー』


「カッコつけるんですか?」


『欠点はカッコつけて隠すねん』


なんかこんな会話ですら

ほんまに幸せな時間やねんけど…

ずっとこんな会話を続けたいって思った。


「勉強になりますね」


『バカにしてる?もうサクランボやらんぞ?』


「あ、ダメです!」


『じゃあサクランボ下さい言うてもらわな

あげれへんなー』


「…サクランボ下さい」


『はい!食べや!』


そう言って、サクランボをクリームの上に乗っけた

あ、食べさせてくれへん!!

確実に今、意地悪なモード入ってる!


『え?なに?食べさせて欲しいん?』


「…」

そんなんよぉ言えへんって…


『食べさせて欲しいなら

食べさせて欲しいって言わなアカンよな?』