また君と恋する

部屋を出て、何となく1階へ降りてみた。

ダイニングテーブルに、明らかに負のオーラを出しているお母さんと、お酒を飲む真宮さんがいた。

「お母さん。どうしたの」

「由麻ちゃん……。お母さんはただいま鬱モードに入ってます。今度、久坂(くさか)さんとお仕事することになったの」

お母さんは芸能人のメイクアップアーティストをしている。

つまり、久坂さんは俳優さんかな。

「お母さんってほら、基本的に若手の俳優・女優しか担当しないでしょ。でも今度、ベテランの久坂さんのメイクをすることになったの」

「へぇ。気難しい人なの?」

「ううん。10年前くらいにドラマ告知でメイクを担当したんだけど、年齢を考慮するより、受けがいいと思って流行りのメイクをしちゃって。その時に視聴者から酷評されて信頼ガタ落ち」

「それで久しぶりに会うから元気ないんだ」

「そうなの。本当に失敗した。あの頃の私は、自分の技術を見てもらいたくて調子に乗ってたの」

ぐいっとお酒を飲むお母さん。