また君と恋する

「本命? 好きな人ってこと? いないよ」

「なら、覚えてるか分かんねーけど、友達と本命の話をしたの覚えてる?」

「本命の話……あっ! 覚えてる」

「あれ、誰のことだったの?」

好きな人がいなかったなら、あの“本命の彼”は誰のことだったのか。

今となっては気にすることでもないんだろうけど、なんとなくモヤモヤする。

あの時、俺のことなんてほとんど知らなかっただろうから、俺以外の誰かなのは確か。

しかし。

そんな俺の予想と反して、

「志希のことだよ」

あっさり答えた。

「えっ?」

「その頃ね、私がポロッと『早瀬君と目が合った気がする』って言ったのがいけないんだけど、友達によく揶揄われてたの。『早瀬が好きなんでしょ』って。だから、バレンタインの日も志希のことで揶揄われて、本命にあげなよって言われたの」