でこぼこの影が並ぶ。

隣を歩く由麻が中学の時の姿と重なるのは、たぶん伸びた髪を1つに結っているせい。

「そーいえばさ……」

足元を見ながら、ふと由麻が呟いた。

由麻は顔を上げて、言葉を待っていた俺に視線をやった。

「志希っていつ私のことを好きになったの?」

突然のことで、ちょっとビックリする。

だけど、さっき高橋に先に好きになったのはどっちか聞かれて、『私じゃない?』と笑って答えていたのを思い出した。

「うーん……」

「覚えてない?」

「いや、覚えてるけど……。由麻はいつ?」

「えっ、私? 私は、中1の3月くらいかな」

「なら俺の方が先だな」

「そーなの?」

「好きだって気付いたのは2月だけど、意識したのはもっと前……12月くらいだったかな」