「このシェアハウスの名前“エトロワールメゾン”って、どーいう意味なの? 調べても出てこなくて」

いつだったか不思議に思ったことを、お婆ちゃんに聞いてみた。

「“永遠”」

「どこの国の言葉?」

「ゾウゴよ」

「ゾウ語?」

「造語。フランス語で“星”の意味を持つ“エトワール”と、“王”の意味を持つ“ロワ”を組み合わせているのよ」

「あ、お婆ちゃんがつけたんだ。星と王なのに永遠?」

「……昔ね、学生の時、学生寮に住んでいたんだけど、その寮の名前が“星王荘”だったの。そこであの人(お爺さん)と出会ってね」

「へぇ、そーなんだ」

「その時からずっと一緒にいるでしょ。だから、『ここがみんなの永遠になるように……』って意味を込めて、始まりの場所の名前をつけたのよ」


永遠なんてないかもしれないけど、それでも永遠を信じたい。


一度別れを知っている私達だからこそ、強くそう願っている。


また君と恋ができたこの瞬間を、永遠に。


エトロワールメゾン。


私達の永遠。




~Epilogue Fin~