また君と恋する

3年前は、すれ違い、想いを忘れ、熱を知らなかった。

でも、無駄じゃない。

あの瞬間があったから、今、こうして触れ合う大切さを身に染みている。


「志希」

唇を少し離して、

「好きだよ」

ぎゅうっと抱きついた。

「うん。俺も好き」

志希も強く抱き締め返してくれた。


深丘と結大君の別れ話を聞いた時から考えていたことがある。

毎日顔を合わせて、一緒にいられて、お互い好きでいることって、すごく特別なんだって。

これからもずっと一緒にいて、ずっと好きでいたいけど、先のことなんて誰にも分からない。

思うだけは簡単。

今ここで“ずっと”なんて口約束に意味はない。


だから。

伝えたい時じゃなくて、伝え合える時に伝える。

触れたい時じゃなくて、触れ合える時に触れる。

一緒にいれるのは特別なんだって、忘れないようにしよう。