また君と恋する

観覧車は、間もなく頂上へ到達する。

「由麻」

繋がれたままの手。

不意に名前を呼ばれて、視線を移すと志希と目が合った。

その瞳に囚われる。


「目閉じて」


低く落ち着いた声が響く。

「うん……」

手をぎゅっと握って、私は目を閉じた。

そっと唇が触れる。


自分の中に宿る熱。

相手から受け取る熱。

触れ合えることが嬉しい。

熱を肌で感じ合える瞬間が嬉しい。

想いを伝えるのに言葉がなくてもいい。