付き合っていたのに────

「俺は知らなかったよ、由麻が将棋を指せるなんて」

お互いの知らないことなんてまだ全然あったんだ。

……でも。

『帰りもお願いしていいかな』

と頼られた時はすごく嬉しかった。

「もっと頼れよ……」

そう呟いて、俺は由麻をソファーに寝かしブランケットをかけた。