「もしかして、志希君の知り合い?」

「子供好きなんだ」

新たな一面を見れて嬉しいのか、その光景を目に焼き付けようと視線が集中する。

その様子を傍から見ていたお母さんが、

「志希君ってモテるの?」

と聞いてきた。

「まあ、うん。うちの(ツー)トップ」

「2?」

「志希と……結大君」

「ああ、なるほど」

お母さんの高校にもいたわ、そういう人。と懐古し感慨深そうにしていた。


思いの外、騒ぎが大きくなってしまったのですぐに教室を出た。

「志希君はー?」

志希達と別れ、抱っこしていた天緒ちゃんが寂しそうにそう聞くので、

「志希は後でね」

とだけ答えた。