また君と恋する

私達が付き合っていること、聞かれなかったから言わなかっただけで、話すことに躊躇(ためら)いはなかった。

当たり前に受け入れてくれると思っていたから。

でも、そうとは限らない。

モラルや家庭の問題。

それを言われると、言い辛くなってしまった。

そして。

それは志希も同じ気持ちなのかもしれない。

お互い、先生に言われた話をなんとなく避けていた。


悩んで足踏みしている間に、文化祭当日を迎えた。

「由麻ちゃーん!」

【もうすぐ着くよ】というメッセージをもらってから間もなく、一般入口で待っていると、お母さんと虹心、真宮親子、冬鳴家のみんなが来た。

総勢8人。

わざわざ文化祭に来てくれたのは嬉しいけど、かなりの大人数だな、と呑気に思う。

「すっごい人だね。由麻ちゃんと会えるか不安だったよ」