また君と恋する

え、今のってそーいう意味?

言われてようやく気付いた。

「いいの?」

と聞くと、志希は口角を少し上げて頷いた。

それならお言葉に甘えまして。

「えーっと、どれにしようかな……」

迷った末、金魚が鉢で泳いでいるようなレジンのヘアゴムにした。

ピアスやネックレスよりもヘアゴムの方が身近に感じるからいいなって思った。


「ありがとう」

人通りの少ないところで立ち止まって、改めてお礼を言う。

「どーいたしまして」

「……あっ、志希は何か欲しいものない? もらってばかりじゃ申し訳ないし」

「んー。別にそーいうつもりであげたわけじゃねーからな……」

天を仰ぎ考える素振りを見せる志希。