また君と恋する

こういうさりげないところがずるいな、なんて思う。

一呼吸置いてからアクセサリーを見る。

「あれ、さっきも来てくれたよね?」

店員のお姉さんが声をかけてきた。

「覚えててくれたんですか」

「うん。可愛い弟さん(?)と一緒だったからね」

可愛い弟って、広海君のことかな。

弟じゃないけど弟みたいなもんだから訂正はしない。

「今度は彼氏と一緒?」

「えぇ、まあ」

これは間違っていない。

改めて『彼氏』と認めるのはちょっぴり照れるけど。

隣の志希を見ると、アクセサリーを手に取って興味深そうに見ていた。

「志希も気になるの?」

「いや、すげーなと思って」