また君と恋する

お母さん達の支度が終わるまでリビングで待つ。

夏祭り前だから無駄にテンションが高い子供達。

浴衣だろうがお構いなし。

「あっ、遥海君。紐が緩んでるよ」

いつの間にか遥海君の甚平の紐が緩んで、前がだらんと開いてしまっていた。

遥海君を呼びつけて直していると、ふと、階段を下りてくる人影を視界の端で捉えた。

チラッと見て、それが湊君だと分かる。

準備でバタバタしていて湊君が帰っていたのに気が付かなかった。

「湊君だ。見てー、浴衣だよ」

「湊君も行くんだよね?」

虹心達が湊君に絡み始めた。

「由麻ちゃん、まだ?」

「あっ、ごめん。もうちょっと待って」

遥海君に急かされて甚平の紐を結ぶ。