また君と恋する

夏祭り、当日。

「さあ。可愛く着飾るわよー!」

ここぞとばかりにやる気を見せるお母さん。

圧倒されつつも、メイクアップアーティストモードのお母さんにヘアアレンジとメイクをお願いする。

メイクはいいって言ったんだけど、『由麻ちゃんにメイクをするのがお母さんの生き甲斐なのぉ』なんて泣きつかれたら、それ以上断れなかった。

お婆ちゃんには浴衣の着付けをしてもらう。

マネキンのようにじっとして、ただ着飾られていくのを待つ。

「はい、できたわよ」

完成。

慣れないメイクと着慣れない浴衣。

鏡の中に自分じゃない自分がいて、背筋がピンと伸びる思いがした。


先に準備を終えていた虹心や栞ちゃん達がいるリビングへ下りる。

そこに志希もいた。