また君と恋する

虹心が嫌がらないように手を繋いであげる。

早瀬君に抱っこされているせいもあってか、借りてきた猫のように静かになった。

早瀬君が抱っこして、私が手を繋いで。

歩いていて気付いたけど……。

こうしていると早瀬君の距離がすごく近い。

なるべく触れないように、平常心で。

長いと思っていた道のりは、あっという間に感じた。

あっさり保育園の先生に引き渡すのに成功し、最初に心配するのは早瀬君の腕。

「重くなかった? 腕、大丈夫?」

「へーき」

飄々と答える早瀬君。

やっぱり男の子なんだな、って実感する。

「あの……。帰りもお願いしていいかな」

私のその言葉に早瀬君が頷いた。

少し嬉しそうだったのは気のせいかな。