また君と恋する

「い、やー」

今日もまた虹心が(わめ)く。

遥海君達をお婆ちゃんに任せ、私は虹心を抱きかかえようとして────

「痛っ!」

しかし、あまりの筋肉痛で虹心を抱っこできなかった。

そんな私の葛藤なんてお構いなしに抱っこのポーズを取る虹心。

天使の顔した悪魔か!

────と心の中で吐き捨てつつも、もう一度挑戦しようとして。

ひょいっ。

軽々虹心を奪われた。

驚いて顔を上げると、虹心を抱きかかえる早瀬君がいた。

「無理すんな。俺が連れていく。その代わり、由麻は妹と手を繋いでて」

「わ、わかった」

また助けられてしまった。