また君と恋する

ふわっと包まれた。

「!?」

正しくは、私がもたれかかるベンチの背もたれに志希が手をついて、その両腕に挟まれている状態なんだけど……。

正しい表現なんてどうでもよくて。

とにかく。

顔が近い!

「この際だから言っておくけど。冗談じゃないから」

「?」


「由麻は俺のだから譲らないって言ったこと、冗談なんかじゃねーよ」


ドキンッと心臓が跳ね上がる。

志希から目が離せなかった。

まるで魔法でもかかったように、志希の真っ直ぐな瞳に囚われる。

さっきまで聞こえてた子供達の賑やかな声が遠くなったような気がして、途端に2人だけの世界にいるような静寂に包まれる。

捕まった。

もう逃げられない。でも、逃げるつもりはない。

これが私の待ち望んだ関係だから。