また君と恋する

いや、ドキドキしてる場合じゃないでしょ!

余計に状況を悪化させてどうするの。

我に返って、志希から離れる。

どんな顔をしてるのかと思って見上げれば飄々としていて、状況を弄んでいるようにも思えた。

……っこの男。

志希のみぞおちにグーパンをして、遥海君達に向き直った。

「今の冗談だからね」

適当に言葉を並べてその場を収める。


なんかどっと疲れた。

帽子を取って、ちょうど木で陰になっているベンチで休憩する。

はぁ……。

子供達にもだけど、志希にも振り回されている気がする。

ぐーっと大きく背伸びをして、ふぅと全身の力を抜く。

「なに。疲れたの?」

志希に声をかけられた。