「ほらね。今まで由麻ちゃんは虹心ちゃんだけのものだったわけだから、戸惑っているっていうのもあるだろう。しばらくすれば慣れるさ」

「そっか。虹心は人見知りしないし誰とでも仲良くなれると思ってたけど、姉妹でも結構分かってないものだね」

「……」


4月。

学生は皆、1つ学年が上がり、私も高校2年生になった。

この春で小学1年生になった広海君は、4月から保育園に通えなくなり一時保育も埋まっていたので、入学式までの間1日中私と山吹夫妻が面倒を見ることになる。

「や。保育園行きたくない」

「どーして?」

「やーだ、やーだー」

早速、駄々をこねる虹心。