また君と恋する

すると、部屋で勉強中の湊君しか家にいないんだ。

「志希は部屋に戻らないの?」

部屋へ戻ろうとする私に対し、志希はそのままリビングに向かった。

「湊が勉強中だからな。あまり邪魔したくない」

「そっか。受験生だもんね」

「……どーだろ。中高一貫だから受験する必要はねーはずだけど」

いろいろ気を使っているんだろうな。

私は荷物を置きに一旦部屋へ行き、すぐにリビングへ戻った。

ソファーでくつろぐ志希に声をかける。

「隣に座っていい?」

「どーぞ」

お腹と太ももの間にクッションを挟んで膝を抱きかかえるように座った。

体育祭で転んだ膝の傷はすっかり治っている。

お風呂とか()みて痛かったもんね。治って良かった。