また君と恋する

「じゃあどーいう関係なんだよ」

「付き合ってないのに一緒にいるの?」

矢継ぎ早に質問され志季の眉がピクリと動く。

わー……すごく嫌そう。


「あのさ。その話今度でいい?」

ふと出た、志希の低く冷たい口調にみんなが口を噤んだ。

広田君も志希の変化に気付いてたようで、すかさず助け舟を出す。

「同じ高校なんだし一緒にいてもおかしくないだろ。また今度、時間ある時に話そーよ」

「うん。それじゃ」

“ごめん”“ありがとう”

なんとなく2人の間に言葉のない会話が交わされた気がして、仲の良さを目の当たりにする。

そして、志希は私の手を取るなり歩き出してしまった。

突然握られた手にドキドキして、


「付き合ってないって……あれ、より戻す直前じゃん」


そう言われていたことに気付かなかった。