また君と恋する

簡単に身支度をして、お婆ちゃんに「夕方までに帰る」と言い残してから家を出た。

「マグカップを見に行こうかと思って、隣町のショッピングモールなんかどうかな?」

「そーいや、前に選んでほしいって話してたな、俺」

とりあえず駅まで歩いて、そこからバスに乗って行く。


休みの日のせいか、人が多く感じる。

隣町って言っても地元から近いし、知り合いがいてもおかしくないんだけど。

まあ、これだけの人がいるし知り合いがいたとしても気付かないか。

ぶらぶらしながらキッチン雑貨が売っているお店に入る。

「結構種類があるんだな」

「そーだね。シンプルなものからキャラクターものまで。お皿と同じ柄で揃えるのも可愛いね」

こんな真剣に食器を見たことがなかったからなんか新鮮。

周りのお客さんを見てみると家族連れやカップルが多くて、一緒に暮らすための食器探しかな、なんて微笑ましく見える。