「俺にしてみればさ……」

有馬さんと別れた後、4人で並んで座ってぼーっとしていると結大君が呟いた。

「未宇は元カノだから特別ではあったんだよな」

「ふーん。それ、有馬さんに言えば良かったんじゃない」

「言わないよ。特別って言っても彼女に比べれば天と地の差だし、元カノってだけでそれ以上でもそれ以下でもないから」

「……」

「……」

なんとなく空気が重くなった。

ここに元カレと元カノがいるからかな。

「さっ、行こっか」

立ち上がる結大君と深丘。


不意に。

2人に聞こえない声が届いた。


「俺は“元”で終わらせるつもりはないけど」


「えっ」

思わず志希を見ると、何事もなかったような顔をしていた。

気のせい?