うわっ、恥ず!

絶対独り言とか聞かれてるよ。

「すげーなって目が離せなかったんだよ。ほんとに完成させるんだもんな。次の日の朝、他のクラスや後輩、先生までもが見に行って卒業式が遅れそうになったんだっけ」

「うん。感動して泣き出しちゃう子もいて、描いて良かったって思った。でも、結構妥協した部分もあったんだけどね」

「だからだよ。今できる最善を尽くせる由麻を知ってるから俺は信頼してんだ」

目が合って、志希が優しく笑った。

嬉しい。

私には十分すぎるくらい勿体ない言葉。

「ありがとっ」

震える声で感謝を口にした。