その優しい匂いはよく知っているはずなのに、そこに立っていたのは私の思い描いた人ではなかった。
この前見た射るような目つきはなく、不似合いな大きいジャージを羽織って私なんかに愛らしい笑顔を見せる、有馬さん。
「どうして……」
「気付いちゃいました?」
有馬さんのその姿を見て愕然とした。
有馬さんには大きすぎる学校指定のジャージ。その胸に、2年の学年カラーで『早瀬』と刺繡が入っていたから。
「これ、志希先輩が貸してくれたんですよ。志希先輩って女の子にそーいうことしなさそうなのに、あたしにはしてくれたんです」
顔を上げた拍子に耳にしていたイヤホンが外れた。
このまま気付かないフリをしていれば良かった。だって。
「なんか志希先輩に抱き締められてるみたい」
この前見た射るような目つきはなく、不似合いな大きいジャージを羽織って私なんかに愛らしい笑顔を見せる、有馬さん。
「どうして……」
「気付いちゃいました?」
有馬さんのその姿を見て愕然とした。
有馬さんには大きすぎる学校指定のジャージ。その胸に、2年の学年カラーで『早瀬』と刺繡が入っていたから。
「これ、志希先輩が貸してくれたんですよ。志希先輩って女の子にそーいうことしなさそうなのに、あたしにはしてくれたんです」
顔を上げた拍子に耳にしていたイヤホンが外れた。
このまま気付かないフリをしていれば良かった。だって。
「なんか志希先輩に抱き締められてるみたい」



