「確かに、俺、親睦深めるために班行動を優先させた方がいいとは言ったけど、それは俺の考えであって」

「分かってるよ。結大君の考えであって、でもあたしも同じように思うよ」

「だけど、それよりももっと大事なのはみんながいい思い出を作れることだと思う」

「……っ」

「俺は、深丘ちゃんのいい思い出作りに協力したい」

「みんなとの思い出も楽しかったよ?」

「でも、好きな人と一緒だともっと良くなる」

「っ!」

ただでさえ大きな深丘ちゃんの瞳が、さらに開かれた。

そこまで言って、ようやく深丘ちゃんにいつも通りの笑顔が戻る。

「ありがとう。それじゃあ、結大君に甘えちゃおっかな」

俺と深丘ちゃんは千星の班に話して、時間まで2人を連れ出す許可をもらった。