目的の駅が近づく頃。

私は車内をキョロキョロし始めた。

側から見れば怪しい奴だけど、そろそろ同じ学校の子と出会ってもおかしくない、と思うと気になって仕方ない。

周りどうこうより、これからまた好きになってもらおうと頑張ろうとしているのに、噂が立って志希に警戒されるのは嫌だ。

志希が女子を苦手としているのは、そういう噂に振り回されるのが嫌だってのもあると思うから。

うぅ……でも、一緒にいられるのは嬉しいし。

だって、志希とどこかへ遊びに行くのなんて中2以来だもん。

悶々とした私の葛藤を乗せて、目的の駅が近づいてきた。

不意に、ツンツン、と腕を突かれた。

志希の方を見ると、何やらスマホの画面を見せてくる。

身体を寄せて、画面に映されたメッセージを読む。