背中から感じる透也の冷たい視線が気になるけれど、優しく私の唇に触れてくる一貴さんを拒めない。

一貴さんにとっては、同棲したての恋人との2日目の夜なのだ。だんだんと深くなるキスからは、一貴さんの静かな昂りが伝わってくる。

正面から感じる一貴さんの熱さと、背中に感じる透也の冷たさ。板挟み状態で、一貴さんのキスを遠慮がちに受け止めていると、彼が私の背中をドサッとベッドに押し倒した。


「暖乃、愛してるよ」

甘く優しい声でささやいてから、一貴さんがまた私の唇を塞ぐ。

彼の手がパジャマの裾に滑り込んできたとき、不意に左頬に冷気を感じた。

横目に見ると、一貴さんに押し倒された私のことを、透也が突き刺すような眼差しでじっと見ている。その冷たさにゾクリとしたけれど、私は一貴さんの下でどうすればいいのかわからなかった。

一貴さんのことは拒めない。だけど、透也には他の誰かと身体を重ねるところを見ないでほしい。

だから、早く帰って欲しかったのに……。

見ないで。

一貴さんから与えられる刺激に耐えながら、透也に視線で訴える。それでも透也は、一貴さんに着衣を乱されている私から目を逸らさなかった。