君と二度目のお別れをします。


耳元にスースーと聞こえてくる細い寝息が、そばに透也がいることを私に実感させてくれる。

太腿に自然と置かれた透也の手に指を伸ばすと、実際には触れていないはずなのに、彼の指先がピクリと震えた。

もしかしたら、私の指先に無意識に反応してくれたのかもしれない。そう思うと、心音がドクドクと速くなる。

昔のように、透也と手を繋ぐことができたらいいのに。

湧き上がる欲望を抑えきれずに、透也の手に手を合わせてみる。指を絡めようとした手に感じるのは空気の冷たさだけだったけれど、それでも透也と手を繋ぎたいという私の欲望はほんの少し満たされた。

私は今、透也と手を繋いで映画館にいる。

それだけでとても懐かしくて、切なくて。映画の後半の内容は、ほとんど頭に入って来なかった。