君と二度目のお別れをします。


「今までどこ行ってたの?」

『ん? ひさしぶりの会社だから、営業部見に行ってきた』

昼過ぎまでは私のそばをうろちょろして、副社長室で仕事の話をしている私や一貴さんにちょっかいをかけたり(もちろん、一貴さんへのダメージはゼロだ)、デスクで資料作りをする私の後ろからダメ出しをしてきたりしていたのでだけど。

途中から姿が見えなくなったので、どうしたのかと思っていた。

もう視えなくなったのかと思って少し心配していたけれど。ユーレイになった透也は、割と自由に動き回れるらしい。

『今までは実家の仏壇周辺でしか動き回れなかったんだよ。だけど、こうして暖乃に付いて来れただろ。だから、どのくらい自由に動けんのかなーって、試してた』

「そうなんだ」

『おれの同期、まだ半分以上はここで働いてるんだな。営業部の顔ぶれが懐かしかった』

単に私のそばですることがなくて退屈してただけなんだと思うけど、満足げに笑っている透也が楽しそうで何よりだ。