透也が視えるようになって2日目。

もしかしたら一夜で消えていなくなってしまうのではないかと思っていた透也は、翌朝もちゃんと視えていた。

視えるどころか、私の隣であたりまえみたいにすやすやと寝ていた。

生きていた頃よりも影が薄いし透けているけれど、目を閉じたら長いなーと思っていた睫毛の先の上向き加減や両肘を曲げて上にした仰向けの寝相が全く変わっていなくて。

3年前に感じていたのと同じ、愛しい気持ちが込み上げた。

まさか、またこんなふうに朝を迎えられる日が来るなんて。堪らない気持ちで軽く横に流れた透也の前髪を撫でようとして、触れることのできない現実に目が覚めた。

そんな感じで今日も私のそばにいる透也は『家にいてもすることがないから』と、私と一緒に朝から出勤してきている。