『何だよ、まだ疑ってんの？』
「だって、この３年間どんなに会いたくても会えなかったんだよ？ それなのに急に視えるようになってこんなふうに話ができるとか、簡単に受け入れられるわけないじゃない」
３年前。透也が死んでしまって絶望の淵にいた私は、夢でもいいから透也に会いたいと毎晩のように願っていた。
そのときは、願っても願っても夢にすら出てきてはくれなかったのに。
『ふーん、暖乃も少しはおれに会いたいとは思ってくれてたんだ？』
私の話を聞いた透也が機嫌良さそうに笑う。その笑い方が少しムカつくから、私は透也の質問には敢えて反応しなかった。
「それよりもすごく気がかりなことがあるんだけど。もしかして透也は、ユーレイになったまま３年間ずっと成仏できてないの？」
この世に未練を残して死んでしまうと成仏できないとか聞くけれど。不慮の事故で突然命を落とすことになった透也には、思い残すことがたくさんあったんじゃないかと思う。
仕事のことだってそうだし、もしかしたら結婚の約束をして置いていった私のことだって未練になったかもしれない。
現に、一貴さんとの同棲や結婚を『断固阻止する』なんて言ってるわけだし。
