君と二度目のお別れをします。


「いつから?」

「ん?」

「いつからそばにいたの?」

「あー。先週末、お前、おれの実家に来ただろ。ちょうどお盆だったから、おれも帰って来てたんだよ」

「う、ん……?」

なんだかおかしな話をされているような気がするのに、さらっと「帰って来てた」と言う一貴さん、もとい透也に何からどう突っ込んでいいのかわからない。

だけど「どこから帰って来たの?」と聞くのは野暮な気がする。きっとお盆で天国から魂が帰ってきてたってことなんだろう。


「そのとき、暖乃がおれの仏壇の前でいろいろ報告してきたじゃん。結婚するとか、前向きに生きるから見守ってて、とか」

「うん……」

「ひさしぶりに会いに来たくせに、ふざけた報告しやがってって思ってすげームカついてたら、なんか付いてこれた」

「付いて……? 憑いて、来れた?」

そういえば仏壇の前で手を合わせて報告したときに、透也の怒声が聞こえたような気がしたんだっけ。

『……っざけんな!』って。

透也のご両親には何も聞こえなかったみたいだから気のせいだと思ってたけど、あれは本当に透也の声だったってこと――?

まさか、そんなことって。