「はい、もちろんです」
そう言って祭壇に向きなおったとき、神父の後ろを青白い影がすーっと素早く通り抜けたような気がした。
今のは気のせい……、ですよね?
恐る恐る隣を見ると、一貴さんが穏やかな表情で私に笑いかけてくる。
私の隣にいるのは、たしかに一貴さんだ。
だけど、僅かに残る疑惑を消したくて、白のグローブを付けた手で一貴さんの手をぎゅっと握りしめる。
今日は私と一貴さんの結婚式だ。
だからこそ、うっかり気を抜けない。
もしかしたら元恋人は、私の夫に憑いたままなのかもしれません……。
《完・君と二度目のお別れをします。》



