近道をしようと、稲葉山へと戻るための最短距離である林を突き抜けようとしたのが失敗だったかもしれない。
激しくなる一方の雨のせいで、辺りが暗くなってしまうのは想像以上に早かった。
木々に覆われた薄暗い林の中を進んでいるうちに、足元がおぼつかなくなってきた。
灯りで前方を照らしたいくらいだが、この雨の中では火をおこすことも容易ではない。
とにかく早く帰らなくては。
「高政、だんだん暗くなってきたし、これ以上進むのは危なくないか? 小降りになるまで少し雨宿りしたほうが」
有明は木陰での雨宿りを提案したのだが、
「!」
遠くで雷鳴が聞こえた。
雷の際に高い木の近くに寄ると、落雷が地面を伝わってきて人の体を貫くというので危険だ。
この状況では、雨宿りもやめた方がいい。
周りに高い木がたくさんあるので、雷がそこに落ちてくるかもしれない。
急いで林を抜けてしまおうと焦った。
「おや、あれは」
少し先に、木々に覆われた祠(ほこら)を見つけた。
祠とは、小さな神社ともいえる神を祀る場所だ。
鳥居はなく木造の建物があるのみだが、雨宿りには十分すぎる広さがある。
「祠だから神主とかは住んでいない、無人の場所だとは思うけど……」
一応中を確認しようと馬を降り、祠の入り口の前にある石段へと向かう。
足元が暗くてよく分からなかったのだが、足元がぬかるんでいて足を取られた。
「うわっ」
恥ずかしいことに、有明の見ている前で派手に転んでしまった。
激しくなる一方の雨のせいで、辺りが暗くなってしまうのは想像以上に早かった。
木々に覆われた薄暗い林の中を進んでいるうちに、足元がおぼつかなくなってきた。
灯りで前方を照らしたいくらいだが、この雨の中では火をおこすことも容易ではない。
とにかく早く帰らなくては。
「高政、だんだん暗くなってきたし、これ以上進むのは危なくないか? 小降りになるまで少し雨宿りしたほうが」
有明は木陰での雨宿りを提案したのだが、
「!」
遠くで雷鳴が聞こえた。
雷の際に高い木の近くに寄ると、落雷が地面を伝わってきて人の体を貫くというので危険だ。
この状況では、雨宿りもやめた方がいい。
周りに高い木がたくさんあるので、雷がそこに落ちてくるかもしれない。
急いで林を抜けてしまおうと焦った。
「おや、あれは」
少し先に、木々に覆われた祠(ほこら)を見つけた。
祠とは、小さな神社ともいえる神を祀る場所だ。
鳥居はなく木造の建物があるのみだが、雨宿りには十分すぎる広さがある。
「祠だから神主とかは住んでいない、無人の場所だとは思うけど……」
一応中を確認しようと馬を降り、祠の入り口の前にある石段へと向かう。
足元が暗くてよく分からなかったのだが、足元がぬかるんでいて足を取られた。
「うわっ」
恥ずかしいことに、有明の見ている前で派手に転んでしまった。



