「っ、あんま伸びないな」


私は舌打ちして、画面を睨みつける。


せっかく高い金を払って『映える』と話題のパフェを食べに行ったのに。


10万もフォロワーがいて、いいねがたったの200。


2時間も並んだ労力を返せっていうの!


こつこつ始めたSNSにハマりだし、素人ながらここまで這い上がってきた。


もちろん有名人には敵わないけど、自撮りをアップしていいねが来ると、この上なく幸せなんだ。


もっともっと。


もっと欲しい。


どんな手を使ってでも、私はいいねが欲しい。


もっと有名になりたい!


今はSNSからタレントになるパターンもある。


このままフォロワーを増やして、そのうちインフルエンサーになるんだ。


その為なら、どんな努力だって惜しまない──。


「美香、一緒に撮ろっ!」


「えっ…」


「いいじゃん、はいチーズ!?」


パシャリとスマホにおさめる。


加工アプリを使い、肌を綺麗にして顔を小さくと。


そうでもしないと、美香の隣では目立たない。


それでも美香とのツーショットはいいねが稼ぎやすく、フォロワーを釣りやすいんだ。


「なに?私も撮ってよー」


まどかが割り込んでくるので、仕方なく撮ってやる。


けれど、これはアップしない。


意味のないものに時間は費やしたくないからだ。