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美香の助けを求める声も、聞こえなくなった。


どうせここは、他人には関心がない住人しかいない。


私がいくら痛めつけられ、虐待されても誰も助けてはくれなかったんだ。


あの脂ぎった男に犯された美香は、もう立ち直れないだろう。


「ざまーみろ」


私と入れかわり、奥田夕子となった美香のことをどう処分しようか、ずっと考えていた。


そうしたら、美香のほうからやってきたんだ。


だから、元に戻るにはアパートに戻らないといけないと伝えた。


でも私は、元に戻るつもりなんてない。


そもそも、元に戻る方法すら知らない。


美香を1人でアパートに戻し、パチンコ屋に入り浸るあの男に『夕子が待っている』と伝えただけ。前回、私が逃げたから男はきっと、怒っているはず。


「ふふっ」


静かにアパートを離れる。


まだ復讐は終わっていない。


心配の種は徹底的に潰すと決めた。


種そのものを、消し去らないといけないんだ。


全部、なにもかも。


跡形もなく綺麗に…。


次のターゲットはもう決まっている。


一気にまとめて片づけてやろう。