な、なんで!?


なんで住所が…?


すぐにスマホで確認すると、あのいじめ動画が無限に拡散されていた。


『丸井カンナ』の名前とともに、住所までが記載されている。


「開けてよー!カンナちゃーん!」


「や、やめて!」


部屋に駆け戻り、カーテンの隙間から外を覗く。


パシャリ。


誰かが私を激写する。


家の周りを取り囲んだ人たちが全員、私にスマホをむけていた。


パシャリパシャリパシャリパシャリパシャリパシャリパシャリパシャリパシャリパシャリパシャリパシャリパシャリパシャリパシャリパシャリパシャリパシャリパシャリパシャリパシャリパシャリパシャリパシャリパシャリパシャリパシャリパシャリパシャリパシャリ


「もうやめて!」


ベッドの上で布団にくるまる。


大丈夫、ここから出なければいい。


そうすればきっと、私のことなんか皆んな忘れるはずだ──。


パシャリ。


「…えっ?」


なぜか、すぐ近くからシャッター音が聞こえた。


恐る恐る布団から顔を出すと、目の前に見知らぬ男が私の顔を覗き込んで、スマホを向けていたんだ。


「いゃあああああああー!」


私の絶叫がこだまする。