大会が始まる前、日向くんに告げたあの日。 私はそのあとすぐに大泣きしながら 1人で帰ってしまったのだ。 「でも、日向くんに話せて本当によかったの。 自分自身にも向き合えたし。」 「‥そう。」 「私も、ごめんね。」 「え?」 「だって‥、」 両親が亡くなっていたこと、 約束があったこと、 野球をやめたがっていたこと‥‥‥。 日向くんには抱えているものが色々 あったはずなのに、全部言わせてしまった。 泣かせてしまったし、 熱まで出させてしまったし。