「‥‥ごめんね。」 「っ違っ、私は‥「それと、ありがとう。」 フワッと香った日向くんの匂い。 柔軟剤と、お日様の匂い。 抱きしめられていると分かるのに、 時間はかからなかった。 「‥俺、本当馬鹿。 保田と風早さん、 2人がこんな風になるまで言わせてさ。」 「っ。」 「‥親が死んだときね。 俺、実は親と約束してたんだ。」 「‥え?」 「『甲子園出場、頑張ってね。』って。」 ギュッと、 私を抱きしめる日向くんの力が強くなる。 それでも、私は息が苦しくない。