「‥!?」 「はっ!あああごごごめん!ま、また明日!!」 「う、うん、また明日!!」 ほんの僅かな時間だけ、 日差しに照らされて重なった影。 「‥っ〜!!」 今、今今今‥! 「俺、キスした‥?」 身体中の血が騒いで、 試合と同じくらいの緊張が走る。 そんなふうに慌てていたからだろう。 俺はあの日、あの時間。 『市立総合病院』の看板を見落としてしまった。 【大会決勝戦まであと1ヶ月と29日】