「本当は初めから見たかったんだけどね‥。」 「え?どうかした?」 「ううん、なんでもないよ!」 少し俯いて、何か呟いた風早さん。 それを俺はうまく聞き取れなかった。 今思えばなんでこの時、 彼女の話を聞き直さなかったんだろう、 もっと一瞬の表情とか、 仕草とか、見ておけばよかった‥。 「あ、お母さんが呼んでる。私、もう行くね。」 「っ、ちょっと待って!」 なんでかわからない。 けど、今突然無性に____。