続いて、もう1球。 バッターはバットを振らなかった。 1球目から、タイミングは完全に合っていない。 「‥よし。」 9回表は、いつも同級生が投げることになっている。 だから、これが最後だ。 いや、これで終わりにしよう。 大きく息を吐き出して、 「‥っ!!」 今日1番の球を投げた。 「‥ストラーイク!! バッターアウト、チェンジ!!」 途端に集中が切れて、その時初めて、 自分が大量の汗をかいていることに気づいた。